二十四輩第十一 無為信(無為子)

稱念寺しょうねんじ

<t_023>稱念寺

稱念寺は、無為信寺と同じく無為信むいしん(無為子ともいう)を開基とする。
稱念寺の寺伝によると、無為信は左大臣橘諸兄たちばなもろえの後胤で、紀州田辺の城主の橘栄住えいじゅうという武士であったと伝えられる。栄住は源平の争乱の惨禍に世の無常を観じ、また愛欲名利を追って闘争することの醜さを思い知り、城主としての地位を捨てて出家の身となった。

奥州への布教

出家した栄住は稲田草庵に親鸞聖人を訪ね、念仏の教えを聴聞し、聖人の弟子となり法名を無為信と賜ったと伝えている。その後、無為信は、親鸞聖人の命により東北に移り大いに教化に尽くし、建保2(1214)年に念仏道場を開き、聖人より稱念寺の寺号を賜ったと伝えられている。
稱念寺は、会津の地に始まるとされ、後に伊達氏の庇護を受け、岩出いわで山を経て、慶長年間、伊達正宗が仙台に築城した際、稱念寺も仙台北山に六千坪の寺地を与えられ移転した。

赤門寺

稱念寺は、山門が朱塗りであるため、「赤門寺」の名で知られている。
現在の本堂は文化年間に再建されたもので、仙台市の指定登録文化財に登録されている。
稱念寺には、「親鸞聖人帰入浄土満足きにゅうじょうどまんぞく御真影ごしんねい」(親鸞聖人が法然聖人の弟子となり専修念仏に帰入した二十九歳のときの像と伝えられる)、源空(法然)・親鸞・無為信(無為子)・覚信かくしん智性ちしょう浄教じょうきょう海法かいほうの七人の高僧を描いた「七体連坐御影」、紺地金泥こんじきんでいの十字名号に了導りょうどう・円覚の二人の僧が描かれた「十字名号」など寺宝が多く、初期真宗をうかがい知る貴重な宝物が伝わっている。

『親鸞聖人 関東ご旧跡ガイド』(本願寺出版社)より引用

正式名称 橘昌山本誓院 稱念寺
住所 宮城県仙台市青葉区新坂町10-3
アクセス JR仙山線北山駅から徒歩13分。
東北自動車道仙台宮城ICを出て、国道48号線から県道31号線に入り左折。仙台宮城IC入口交差点から国道48号線に進む。東北福祉大学の前を通り、約1キロ先。
駐車場 普通車30台
お問合せ TEL 022-234-3937

二十四輩寺院