2020(令和2)年の法語・法話

表紙

悲しみの 深さのなかに 真のよろこび がある

Within the depths of sorrow there is true joy.

瓜生津隆真(うりゅうづ りゅうしん)
1月

人も草木も虫も 同じものは一つもない おなじでなくて みな光る

While men and plants and insects all differ, the Buddha's inner light shines forth in all.

榎本 栄一(えのもと えいいち)
2月

生のみが 我らにあらず 死もまた 我らなり

It is not life alone that makes up what we are. Death also is part of our existence.

清沢 満之(きよざわ まんし)
3月

本当のものが わからないと 本当でないものを 本当にする

When you don't understand the real thing, you take the unreal the real.

安田 理深(やすだ りじん)
4月

お念仏というのは つまり 自分が自分に 対話する道

The nembutsu is the path by which I converse with myself.

曽我 量深(そが りょうじん)
5月

いだかれて ありとも知らず おろかにも われ反抗す 大いなるみ手に

Though embraced, I do not realize it. Foolishly I resist the compassionate hand.

九條 武子(くじょう たけこ)
6月

人が何よりも 執着せんとするものが 自己である

It is the self among all things that we most adhere to.

毎田 周一(まいだ しゅういち)
7月

人間は死を抱いて 生まれ 死をかかえて 成長する

We human beings are born with death, and grow up dying in ourselves.

信國  淳(のぶくに あつし)
8月

念仏もうすところに 立ち上がっていく力が あたえられる

I say the Nembutsu. I am enabled with the power to continue living.

西元 宗助(にしもと そうすけ)
9月

自分のあり方に 痛みを感ずるときに 人の痛みに 心が開かれる

When you can feel the pain of your own existence, your heart is opened to the pain of others.

宮城 顗(みやぎ しずか)
10月

念仏とは 自己を 発見することである

The Nembutsu enables you to discover yourself.

金子 大榮(かねこ だいえい)
11月

拝まない者も おがまれている 拝まないときも おがまれている

Even those who do not revere, are held in reverence [by the Buddha]. Even when we do not revere, we are still held in reverence.

東井 義雄(とうい よしお)
12月

智慧・慈悲のはたらき そのものが 「仏」なのです

The working of wisdom and compassion itself is the “Buddha.”

坂東 性純(ばんどう しょうじゅん)

2020年の法語について

親鸞聖人によって顕かにされたお念仏のみ教えは、多くの人々によって伝えられ、日本だけではなく世界中に広がっています。その浄土真宗のみ教えを、主として現在に伝えるのが真宗十派といわれる、浄土真宗本願寺派(本山:西本願寺)、真宗大谷派(東本願寺)、真宗高田派(専修寺)、真宗佛光寺派(佛光寺)、真宗興正派(興正寺)、真宗木辺派(錦織寺)、真宗出雲路派(毫摂寺)、真宗誠照寺派(誠照寺)、真宗三門徒派(専照寺)、真宗山元派(證誠寺)の宗派です。

これらの宗派は、昭和44(1969)年、不安と混迷の現代社会にあって、浄土真宗の教えを広くお伝えするために、真宗教団連合を組織しました。以来、協同してさまざまな活動に取り組んでいます。その一つが、昭和48(1973)年から続く、法語カレンダーの発刊です。

令和2(2020)年の法語カレンダーのテーマは「わたしの歩み」です。

近年、宗祖のご著書の中から、浄土真宗の教えを皆さまにお届けしていますが、真宗教団連合結成50周年を迎え、その歩みを振り返る意味もこめて、これまでに掲載した法語の中から、お念仏を称え、人生を生きぬかれた先師の言葉を選定いたしました。

日々の生活の中で味わいながら、共々にお念仏を申し歩んでまいりましょう。