首相・閣僚による靖国神社公式参拝中止要請のこと

本年も、まもなく8月15日を迎えようとしています。

かつて私たち真宗教団は、先の大戦を「聖戦」として意義付け、時の国家体制に加担し、釈尊や宗祖親鸞聖人の教えに背き、「仰せになきことを仰せとして」伝え、多くの国民を戦地に送り、そのいのちを奪うとともに、世界の各国、とりわけアジアの方々に言語に尽くせない惨禍をもたらしました。

私たちは、このことを決して忘れることなく、自らの行為を厳しく問い直し、戦争でいのちを奪われた全ての人々に対して深く哀悼の意を表するとともに、いのちの尊厳を踏みにじる戦争を二度と繰り返さないよう、今日まで非戦・平和に向けた取り組みを進めております。

そのような中で、真宗教団連合は、昭和44(1969)年の結成より終始一貫して、「首相・閣僚による靖国神社公式参拝中止」を要請してまいりました。

靖国神社は、明治政府のもと戦没者を英霊として祀る神社として創設され、国家神道体制の中心的な役割を担い、国家の目的遂行のための戦争を正当化するとともに、国家の戦争責任を曖昧にし、回避するという政治的な機能を果たしてきた特異な一宗教施設であります。

したがって、国家による戦争の正当化、新たな「英霊」を生み出していく機能を持つ靖国神社に、首相・閣僚が公式参拝されることは、国民に戦争の罪悪を見失わせるだけでなく、国のために命を捧げてもよいという観念を植え付け、戦争を肯定する人々を再び生み出していくという危惧をいだかざるを得ません。

「日本国憲法」は、戦争放棄を謳い、信教の自由と政教分離の原則を定め、「恒久平和」への願いを表明しております。

貴職並びに閣僚におかれましては、靖国神社公式参拝のもつ問題性を十分に認識され、靖国神社への公式参拝をなされないよう要請いたしますとともに、今後とも世界平和に向けた取り組みを重ねられますよう併せて要望いたします。

平成21(2009)年7月31日

真宗教団連合    
浄土真宗本願寺派 総長 不二川公勝
真宗大谷派 宗務総長 安原  晃
真宗高田派 宗務総長 青木 眞曉
真宗佛光寺派 宗務総長 大谷 義博
真宗興正派 宗務総長 藤井 浄行
真宗木辺派 宗務長 吉川 恵教
真宗出雲路派 宗務長 齋藤 公道
真宗誠照寺派 宗務長 茨田 隆信
真宗三門徒派 宗務長 黒田 昌英
真宗山元派 宗務長代行 佛木 道宗

内閣総理大臣
麻生 太郎 殿

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