〔法要趣旨〕
平成23年、本山佛光寺では「南無阿弥陀仏は私のいのち」を基本理念に掲げ、「宗祖親鸞聖人750回大遠忌法要・佛光寺草創800年記念法要」を厳修いたします。
仏教では、人間は生まれただけでは意味はなく、どのように生きたかということに重きを置きます。そのため仏教徒は誕生日よりも命日を大事にし、月命日や決まった年に法要を営んできました。大切な方の法要を営む事は、先人を通して仏法を聴聞し、本願により生かされている私たちの人生を見直す大切なご縁です。
特に私たち真宗門徒は、50年毎に宗祖親鸞聖人のご命日を盛大に厳修させていただいてきました。
この度、平成23年に「宗祖親鸞聖人750回大遠忌法要・佛光寺草創800年記念法要」をお迎えするにあたり、私たちは念仏の教えを明らかにされた親鸞聖人のお徳を讃仰し、聖人の明らかにされたお念仏のみ教えを顕彰し、そのみ教えを私たち自身がいただきながら、佛光寺が今まで歩んできた歴史と伝統に思いを馳せ、次の世代に相続していく勝縁とさせていただきたいと思います。
5月19日(木) | 「佛光寺草創800年記念法要」 |
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5月20日(金)~28日(土) | 「宗祖親鸞聖人750回忌大遠忌法要」 |
私たちは「いのち」をいただいて生きています。
私たちが生きている背景には、量る事のできない多くのいのちの営みがあり、私たちは自分の思い計らいとは関係なく、常に私たちのいのちを支える力に支えられています。私たちが様々な力に支えられ生きている事実。その事実の根源が如来の本願なのです。
私自身の思い計らいから離れたところにある願い。賜ったいのちを輝かせて生きていく事を願われて、私たち人間の所にまで届けられたのが南無阿弥陀仏のお念仏です。
私たちは、身勝手な欲望や煩悩に縛られ、振りまわされ、自分自身を見失って日常生活を生きています。そんな私たちにとって本当の依り所となるのが「南無阿弥陀仏」のお念仏なのです。
平成23年に厳修される「宗祖親鸞聖人750回大遠忌法要・佛光寺草創800年記念法要」では、「南無阿弥陀仏は私のいのち」を基本理念に据え、私たちが如来の願いに生かされている事の事実に目を向け、いのちの本当の尊さに目覚めていくご縁となることを念じて止みません。
本山佛光寺が現在のように阿弥陀堂と大師堂(御影堂)の両堂形式になったのは室町時代のことです。応仁文明の乱により消失し、現在に寺基を移転したのは、天正14(1586)年だと伝えられています。現在地に移転してから間もなく、山城大地震で倒壊、江戸時代から幕末にかけては天明・元治の2度にわたる大火で堂宇を消失しました。現在の堂宇は明治17(1884)年に大師堂、明治37年に阿弥陀堂が落成されたものです。「宗祖親鸞聖人750回大遠忌法要・佛光寺草創800年記念法要」では、明治に両堂が再建されて以降初めての大修復工事を行います。
ご本尊と御真影をご安置する両堂は、お念仏のみ教えを伝える道場として佛光寺が草創されて以来、幾多の苦難を乗り越えて先人によって現在まで伝えられてまいりました。
両堂の大修復は、私たち自身がお念仏を聴聞し、み教えを伝えていく念仏相続の思いを形にすべく、取り組んでいかなければなりません。
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